しまった!! 物損事故に遭ったときに,請求できるものは!?

1 物損事故とは?

ひとくちに交通事故といっても,大きく「人身事故」と「物損事故」に分類できます。このうち,物損事故とは,車同士の衝突・追突,後退時の車・物への衝突,ガードレールやブロック塀などへの追突など,車両と何かが接触したことで車両に損害が発生する事故のことをいいます。

 物損事故が発生すると,部分的な損害であれば車の修理代が発生しますし,事故によって廃車となってしまった場合には当然車の買い替え費用が発生します。このように,物損事故によって,被害車両に関する「損害」が生じます。

 

2 請求できる損害について

(1)Aさんの場合

  ここで,下の事例を見てみましょう。

  Aさんは,週末の長距離ドライブを趣味としている女性です。ある日,いつものように愛車(国産車)に乗りこみ,遠方の峠を攻めていました。長距離運転に疲れたAさんは,海辺にあるカフェで休むことに。愛車をカフェの駐車場の区画に停めたAさんは,おしゃれなジャズが流れる店内の窓越しに,燦燦と降り注ぐ太陽に照らされた愛車と海の青のコントラストを楽しんでいました。この風景をSNSに上げねばと思ったAさんですが,前日に購入したばかりの携帯電話を愛車の中に置き忘れていることに気付きました。

 Aさんが携帯電話を取りにいこうと駐車場へ出ようとすると,同じカフェの駐車場に停めようとしていた車が,急に動きを変え,Aさんの愛車の側面に激しく衝突してきました。

突然のことに驚いたAさんが相手の運転手のもとへ駆け寄ると,相手の運転手が申し訳なさそうに頭を下げてきました。聞くと,「駐車場に停める際に,ギアを入れ間違えてしまい,後退するはずが前進し,驚いてしまってそのままアクセルを踏みぬいてしまった」とのことでした。

 あまりにも申し訳なさそうな運転手の態度に,Aさんは気持ちこそ許しましたが,愛車の側面にできた大きく深いヘコみを見るやいなや,気分が滅入ってしまいました。また愛車の中の物を確認すると,運の悪いことに購入したばかりの携帯電話が真っ二つに折れてしまっていました。

 その後,Aさんの愛車はレッカー車に運ばれ,●●自動車整備工場で修理を受け,事故から2週間後,ようやくAさんのもとへ戻ってきました。

 この間,Aさんの愛車の修理費用として90万円,整備工場へのレッカー代1万円,修理期間中の2週間の間に借りざるを得なかったレンタカー代7万円,携帯電話の買い替え費用として10万円がかかってしまいました。

 

(2)請求できる費目

 踏んだり蹴ったりのAさんでしたが,法律上,相手方運転手に対して以下のような請求をすることができます。

① 車の修理費 〇

  車に対して必要・相当な範囲で行われた修理費相当額を請求することができます。

  Aさんのケースでは,愛車の修理として必要・相当なものが行われた場合,相当額である90万円を損害として請求できます。

 

② 修理期間中のレンタカー代 〇

  車の修理が行われている期間が相当なものである場合,その期間中に利用したレンタカー使用代相当額も損害として請求することができます。

  Aさんのケースでは,愛車の修理期間中に借りたレンタカー代相当額である7万円を損害として請求することができます。

 

③ 積み荷などの損害 〇

  物損事故によって,車そのものだけでなく,車の中に存在していた荷物・装備品に損害が生じた場合,その分の損害も請求できることがあります。

  Aさんのケースでは,愛車の中で購入した携帯電話が壊れてしまいましたから,その携帯電話を買い替えるために必要かつ相当な金額である10万円を損害として請求することができます。

 

④ 雑費 〇

  その他,事故によって走行できなくなった際のレッカー代,車両保管費用,時価査定・見積費用,車両処分費用など,事故によって発生したと認められる費用も損害として請求できることがあります。

  Aさんのケースでは,事故に遭った愛車を●●自動車整備工場まで搬入するためにレッカー費用1万円がかかっていますから,1万円を損害として請求することができます。

 

⑤ 慰謝料 ▲

  事故に遭った方の中には,せっかく購入して利用している愛車が傷つけられたことに強く不満に思う方もいらっしゃることだと思います。

  私たちへ相談に来られる方々の中にも,「車が傷ついたのだから慰謝料を請求してほしい」と言われる方もいらっしゃいます。

  しかし,交通事故紛争実務においては,残念ながら,自動車事故によって物が傷ついたことだけでは,原則として慰謝料は発生しないものとされています。

  Aさんはとても愛車を大事にされていましたが,今回のケースでも慰謝料の請求は難しいと言わざるを得ません。

 

⑥ 今回のケースを離れて

  その他,物損事故によって生じる損害として,修理に伴う評価損,車両買い替えにかかる費用の一部,営業車両が使えなかった場合の旧車損,同乗していたペットのケガ等の賠償など,他にも請求が認められる余地のある費目があります。

  詳しくは,お問い合わせの上,私たち弁護士へ直接ご相談ください。

 

3 ご相談をお考えの方へ

  以上のように,物損事故であったとしても,事故を起こした相手方に対して損害の賠償を求めることが可能です。自分自身で交渉をしたり,各保険会社の示談代行サービスを利用したりすることを検討中の方もいらっしゃると思いますが,なかなか自分の思い通りに手続が進まずストレスを抱えてしまうかもしれません。

  そのようなストレスを避けるだけでなく,法律や交通事故紛争実務に関する正しい情報を得るためにも,一度弁護士にご相談するのがよいと思います

 

4 最後に

  弁護士法人ラグーンでは,弁護士と事務局スタッフのチーム対応により,迅速かつ丁寧 に交通事故分野に取り組んでいます。

  弁護士へ相談するか悩まれている方は,特に,ぜひ一度ご相談にいらしてください。

 

 

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