後遺障害事件
1 被害者 53歳(女性 会社員)
被害者は、道路横断中、軽四貨物自動車に衝突され、左顔面骨折、頭部打撲、左胸腹部打撲、膝打撲、左腎損傷、肋骨骨折、腰部打撲などの傷害を負い、左耳の張力の機能障害(14級3号)、左顔面知覚鈍麻痺しびれ(顔面神経痛)、(後遺障害非該当)雨の日の頭痛、肩こり、背中痛、不眠などの後遺障害を負った。
保険会社からの提示
治療費以外に100万円 → 445万円
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耳の後遺障害以外は認められなかったので、後遺障害の事前認定について異議申立をし、12級12号が新たに認定されたので、訴訟にて、判決を求めた。
2 被害者 33歳(男性 会社役員)
被害者は、建築業(大工)の会社役員であるが、運転中、信号で停止中のところ加害者に追突され、頸椎捻挫、症候性神経痛、腰痛、右手間接しびれなどの傷害を負った。
その結果、右握力低下、知覚障害(右手関節部の触角鈍麻)、右手首の激しい痛み、右手の小指の震えのために、建築業の細かい作業ができなくなり、大工の職を断念して転業を余儀なくされ、多大な被害を被っている。しかし、後遺障害の事前認定は非該当であった。
保険会社からの提示
傷害のみの損害として400万円 → 1324万円
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後遺障害の事前認定について異議申立をし、14級10号が認定されたので、訴訟にて、判決を求めた。裁判で鑑定申請をしたが、等級の判断は変わらず、多くは心因性のものと判断された。
しかし、14級10号であっても、被害者が大工という職に照らし半ば致命的な症状であることから労働能力喪失率を10%と認定し、逸失利益を423万円認め、慰謝料も増額された。
3 被害者 44歳(女性 飲食業)
被害者は、飲食業を夫とともに営んでいる女性であるが、結婚式出席のため知人の車に同乗させてもらって高速道走行中、車の故障によりトンネル内で停車したところ追突され、外傷性頚部症候群、腰部挫傷、右下腿挫傷、右下腿知覚障害などの傷害を負った。
その結果、頸椎の可動制限、左頚部、左肩甲部、左腰部、左下腿に圧痛、左手尺骨神経、正中神経領域に知覚鈍麻、左手握力低下の後遺障害が残り、家事も夫の料亭の仕事もほとんど手伝えない被害が発生しているが、後遺障害の事前認定は非該当であった。
保険会社からの提示
傷害のみの損害として
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訴訟提起して、裁判の中で鑑定により、12級12号が認定されたので判決を求めた。ただ、うつ病の既往症を考慮され、50%の寄与率とされたため、総損害は減額されたが、訴訟提起は効果があった事例。
【所感】
事前認定に対し、異議申立てしたが、認定されなかったため、裁判で後遺障害認定を求めるしかない事案であったが、医師の鑑定で12級12号が認定されたことから依頼者の希望に叶う結果が出せて良かった。
4 被害者 45歳(男性 地方公務員)
被害者は、バイクで走行中、自車前方をUターン進行して進路妨害した普通乗用車に衝突し、脳挫傷、多発性顔面骨骨折、多発性顔面裂創などの傷害を負った。
その結果、高次機能障害(性格変化を伴う脱抑制、記銘力障害、注意障害、遂行機能障害)、そしゃく機能障害、左上肢機能障害、遠位筋麻痺、手関節背屈困難、左手母指機能全廃、左下肢機能障害などの後遺障害が残り、後遺障害の事前認定は5級2号であった。
保険会社からの提示
休業損害など既払金以外に、4559万円 → 8346万円
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5 被害者 67歳(女性 アルバイト)
被害者は、主婦業の傍らアルバイトをして収入を得ていたところ、車の事故で両頸椎捻挫、腰部打撲、右上腕骨打撲、右そけい部痛、右大腿部痛、右臀部痛、などの傷害を負った。
その結果、両頚部痛、把持力低下、視野狭窄、外傷性頚椎椎間板ヘルニア、両感音性難聴、耳鳴りなどの後遺障害が残った。後遺障害の事前認定は14級10号であった。異議申立ての結果、12級12号になった。
保険会社からの提示
休業損害や自賠責保険からの既払金以外に、
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6 右膝脛骨高原骨折の被害者
被害者は駐車場内で駐車しようとしている車にひかれ、右膝を負傷しました。
脛骨高原骨折(プラトー骨折)を診断され、後遺障害の等級獲得前に弁護士に依頼しました。弁護士介入後、12級13号と認定されました。
その後、交渉となり、後遺障害逸失利益の算定の際の就労期間のところで、争いとなりましたが、粘り強く交渉した結果、67歳まで就労期間が認められ、合計約1460万円で示談となり、既払額を引いた約750万円が支払われました。
後遺障害診断書作成前から弁護士が関与し、事件が解決したケースです。