加害者無保険でも人身傷害保険によって裁判基準満額の回収をした事案
被害者の属性 | 20代 男性 |
事故の分類 | 側面衝突 |
傷病名 | 頚椎捻挫 |
依頼のきっかけ
加害者は任意保険に加入していませんでした。
そのため、依頼者は今後の補償がどのようになるのか強い不安を抱いていました。
弁護士費用特約があったため、通院先の整骨院からの勧めもあって、来所されました。
交渉・訴訟の経緯
依頼があった段階で、加害者が任意保険に未加入であることは分かっていました。
他方で、依頼者側は人身傷害保険(怪我をしたときに保険金が払われるもの)に加入していました。
このような事案では、訴訟提起をすることで、人身傷害保険のメリットを最大限に活用することができます。
これは読み替え規定と言われるものがあるからです。
人身傷害保険は、基本的には約款で定まった計算式にしたがって、支払う保険金が機械的に算定されます。
そのため、増額に向けた交渉の余地は基本的にありません。
また、裁判基準・弁護士基準に比べて低い金額になるのが通常です。
しかし、これには例外があります。
それは訴訟をしたときです。
約款では、「訴訟をして裁判上の判断として別の損害金額が算定されたとき(裁判の場合は裁判基準・弁護士基準に基づき算定されます)には、その損害金額をもとに支払をする」という趣旨のこと(読み替え規定)が定められています。
そのため、十分な補償を受けるためには訴訟提起をし、裁判所の和解もしくは判決によって解決することが重要になります。
本件でも、相談をお受けした時点でこのような方針のもとで進めていくことが決まっていましたので、ご依頼後はこの方針のもと粛々と訴訟手続を進めていくことになりました。
訴訟提起後、被告側は強く争いませんでした。
裁判所の和解案として当方の請求内容どおりの金額が提示されたため、そのまま和解となりました。
その後、和解内容をもとに加入していた人身傷害保険へ読み替え規定を適用したうえで請求を行いました。
速やかに支払がなされるに至りましたので早期解決となりました。
弁護士の目
事故被害にあったとき、相手方が任意保険に加入していなければ誰もが強い不安を感じると思います。
しかし、相手方の保険が使えない事案であっても、こちらが加入している保険をうまく活用することで、十分な補償を受けることができる場合があります。
人身傷害保険と訴訟手続をセットにして解決する方法はその1つになります。
この方法は保険商品を扱う保険会社や代理店でさえいまだにその仕組みをよく理解していないことがあり、契約者に対して間違った説明をしているケースも見られます。
これは被害者にとって大きな損失です。
保険会社や代理店の説明のみですぐに判断するのではなく、保険をよく理解している弁護士にも相談したうえで判断することが大切です。
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