Q. 自賠責保険の「重大な過失」とはどういうものですか?
A.自賠責保険で過失相殺が適用されるのは、被害者に重大な過失がある場合のみです。
自賠責保険は基本的に被害者保護の理念に基づき運用されていますので、過失の程度が大きくなければ減額はされません。しかし、過失の程度が重大である場合には減額をされることになります。
具体的には、被害者側に7割以上の過失が認められる場合には、一定の割合(2割~5割)で減額がなされます。
査定上、重過失と認定される事故は例えば以下のようなものがあります。
(歩行者)
・信号を無視して横断した場合
・泥酔して道路上で寝ていた場合
・道路標識などで明確に横断禁止が表示されている場所で横断した場合
(車両運転者)
・車両運転中に信号無視をして交差点に進入し衝突した場合
・被害車両が中央線を越えて衝突した場合
・進路変更するときに隣の車両と衝突した場合
・非優先道路から優先道路へ進入する際に車両と衝突した場合
・道路外に出るために右折したときに対向直進車と衝突した場合
なお、自賠責保険の扱いについては上記のとおりですが、自賠責保険の枠を超えて加害者側に賠償請求をしていく場合には、減額は重大な過失に限定されず、事故態様に応じた過失割合分が減額されることになります。