治療の打ち切りを回避し,医師の協力を得て後遺障害14級の認定がされた事案
被害者の属性 | 50代 男性 自営業 |
事故の分類 | 一時停止していたところ追突される |
傷病名 | 頚椎捻挫 |
後遺障害等級 | 14級 |
依頼のきっかけ
事故から5ヶ月が経過していましたが,治療継続中であったにもかかわらず,保険会社から打ち切りの連絡があったため,対応方法が分からずにご相談に来られました。
後遺障害等級認定までのサポート
依頼者は治療継続を希望していました。症状が徐々に改善していたこともあり,納得のできる治療を受けるためにもう少し通院をしたいとの強い思いをお持ちでした。
ラグーンでは,まず相手方の保険会社に対して治療費支払の継続を求めました。交渉をしたところ,相手方保険会社は特に医学的な根拠もなく依頼者に打ち切りを打診していた様子でした。
保険会社へ依頼者の状況や治療計画についても説明をしたところ,最終的には2ヶ月間の治療継続に同意をしてもらうことができました。
症状固定となった時点で,頚部痛が残存していたため,主治医との面談をすることにしました。目的は,症状の診断書への正確な記載,必要な検査の実施の有無の確認,検査結果の後遺障害診断書への記載依頼でした。
主治医は非常に協力的で,詳細な後遺障害診断書を作成していただきました。
後遺障害の等級認定の申請をしたところ,14級9号(局部に神経症状を残すもの)の判断がなされました。
交渉の経緯
依頼者は漁師でした。他の家族と同居しており経済的な支援もあったため,ご本人の収入はそれほど高額ではありませんでした。しかし,頚部痛がひどいときには仕事を休み,漁に出る日数が少なくなったり,それによって収入の低下も認められました。
そこで,ご本人に過去5年分の確定申告書の控えをご準備いただき,それらの資料を添付して,事故年はどのような理由でどのくらいの損害が発生したのかを詳細に主張し,相手方保険会社へ提出したところ,概ね当方の主張どおりの内容で示談となりました。
弁護士の目
被害者が通院中であるにもかかわらず,突然,保険会社から治療費の打ち切りの話をされる場合があります。特に,他覚的な所見が乏しい頚椎捻挫等の事案でそのような事案を多くみかけます。
被害者としては,不幸にも事故に遭ってしまい,事故前の身体の状態に戻したい一心で通院しているにもかかわらず,保険会社の担当者は事故から3ヶ月,6ヶ月経ったから等の形式的な基準で打ち切りの話を持ちかけて来るケースがあるのです。
このような場合,医師や医学的な知識に精通した代理人(弁護士)に協力を求めることで,被害者本人に変わって,保険会社や相手方の代理人と交渉をしてもらうことができます。
その結果,治療に正当な理由があれば,この度のケースのように治療期間を延長してもらうことができる場合もあります。
また,後遺障害診断書の作成を医師に一任するのではなく,被害者本人,医師,代理人である弁護士の3者が目的を共有し,協同して作成することで,より適切な実態に即した後遺障害診断書の作成が可能となり,適切な後遺障害等級の認定につながります。
医師面談による主治医との連携が奏功した事案でした。
- 後遺障害の異議申立の手続から介入し、14級9号が認定された事案
- 3ヶ月で治療費を打ち切られたものの14級の認定を受け、裁判では治療費が全額認められた事案
- 一部示談をした後に、異議申立で14級が認定され追加で示談した事案
- 医師から「後遺障害認定はされない」と言われた被害者について14級の認定がなされた事案
- 労災給付を適切に活用して治療に専念できた事案
- 画像所見が現れていないケースで後遺障害が認定された事例
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