まだ痛いのに治療をやめないといけないの?
四輪車と四輪車 | 40代 |
頸椎捻挫 | 女性 |
非該当 |
主婦 |
【ご相談内容】
私が交差点の信号で停止していたところ,相手方自動車が追突してきました。
物損については,争いがなくスムーズに示談できましたが,怪我については,事故後3か月経過した今も首の捻挫で痛みがあり,まだ整形外科に通院中なのに,暗に治療をやめるように言ってきて,怪我の方も示談を早くしようとしてきます。
ついには相手方の代理人として弁護士が出てきました。
どのように対応すればいいですか。
【ご回答】
本件は追突事故で,過失割合は10:0だと考えられますので,その点は問題になりません。もっとも,治療費や慰謝料の関係から,必要な治療か否か,すなわち現在している治療が交通事故によるものなのか因果関係が問題になります。
事故にあったのだから因果関係があるのは当たり前と思う方もいらっしゃると思います。しかし,極端な例ですが,ちょっと車をこすっただけで,首が痛くなって,まだ痛いとして1年も通院するのは因果関係がないといわれてもしかたないとわかると思います。
このように,治療が事故によるものなのかというのは,難しい問題です。
もっとも本件のように,事故後すぐから病院に通い続けているのであれば,上の例のように極端に通院を続けなければ,裁判で因果関係が認められた例は多いです。
ただ,保険会社は頸椎の捻挫で自覚症状のみの場合,大体3か月ほどで,治療費を打ち切ろうとしてくることが多いようです。
それによって治療をやめる人もいるのかもしれませんが,やはりまだ痛みがあるのであれば,健康保険での診療に切り替える等して病院に通うべきだと思います。一旦治療をやめてしまうと、それ以後通っても因果関係があると認められる可能性は少なくなりますし、なにより、治療を続ければ治ったはずのものが治らなくなる可能性もあり得ます。
弁護士としてある程度は治療の経過などを根拠に治療の必要性,相当性を伝えることはできますが,残念ながら,保険会社が一方的に決めてしまうことであるため,なかなか思い通りにはなりません。
もっとも、自己負担した治療費は,後で,裁判で請求できる可能性があります。必ずしも全て認められるとは限らないため,念のため,保険診療に切り替えておいた方がよいと思います。
このことは,相手方に代理人の弁護士がついたとしても同様です。しっかりと治療を続ける意思を告げて,治療が済むまで示談できないと言うべきです。
もし相手方弁護士にご自身でそのようなことを主張することが億劫であり,治療だけに専念したいような方は,弁護士に代理人を依頼されるのがよろしいと思います。
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