死亡事故で事故態様が分からないため過失割合に納得ができません

歩行者と四輪車 40代
脳損傷 女性
死亡 会社員

【ご相談内容】

 夫が交通事故に遭い死亡しました。

 飲酒後に道路で寝ていたところを車に轢かれたと警察から聞いています。
 道路に寝ていたのであれば,運転手としては夫の存在に気付くはずです。
 スピードの出し過ぎや携帯電話を使用していた等の違反があったのではないでしょうか。
 加害者の言い分も伝え聞いただけで,よく理解ができません。
 このような場合,どのようにして過失割合を判断すれば良いのでしょうか。 

【ご回答】

 被害者が亡くなられた事案では,目撃者がいない場合,事故の状況を知っているのは基本的に加害者のみです。そのため,大切な家族を失ったにもかかわらず,被害者側には真相が分からないというケースも残念ながら存在します。真相が分からないのに示談して欲しいと言われても,ご家族からすると,納得ができるはずはありません。

 事故時の状況については,客観的な資料から推測していくしかありません。
 通常は,事故時の状況について,警察で実況見分が実施されます。
 警察が事故現場の状況や車の損傷状況等を確認して記録に残すのです。
 本人がいないので,事故態様が分からないという事案では,まず警察が作成した実況見分調書等の刑事記録を確認する必要があります。
 また,加害者が刑事処分を受けている事案では,供述調書等の加害者の言い分を警察が聞き取って録取した書面を確認することもできます。
 必ずしも事案の真相が解明するとは限りませんが,まずはこのような刑事記録を取り寄せしてみるという選択肢を検討すべきであると考えられます。

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