個人事業主の被害者について,休業補償額の算出に固定経費を加えることが認められた事案

個人事業主に休業補償は支払われないのでしょうか。


【ご相談内容】


 私が交差点を左折しようとスピードを緩めたところ,後続の相手方車両が追突してきました。

 私は、7日間仕事を休みましたが、個人事業主であったことから、休業の証明や年収を示す資料を出すことができず、保険会社との交渉では、休業補償は一切出さないと言われました。

 保険会社が提示してきた休業補償を考慮しない賠償金額は、妥当なのでしょうか。


【ご回答】

 個人事業主であっても、休業補償は認められます。この点、会社員であれば、就業先から休業の証明書を出して貰えば済みますが、個人事業主の場合にはそれは困難です。
 
 休業期間については、現実に休業した期間や長くなる場合には症状固定日までとなります。

問題は、1日あたりの休業補償額の算定方法です。この算定方法としては、確定申告書の所得を基本としますが、事業の維持・存続のために必要やむを得ないような固定経費を加えることができます。具体的には、租税公課、水道光熱費、通信費、減価償却費、地代家賃など様々な経費です。

 税金対策で所得を少なくするために、経費をたくさん計上している方が多いと思われますが、そのような場合にも適切な休業補償が得られるように、算出方法を工夫する必要があります。

 例えば,ラグーンで過去に依頼を受けた事案で,所得が100万円を切る申告書でしたが、固定経費を加えると350万円ほどになり、これを基礎に1日当たりの休業補償額を算出して認められたケースがありました。

 ご相談の事案では,裁判例等も検討しますと,確定申告書の所得額が低いことを恐れず、固定費を加えて算出することを主張すれば,適切な休業補償が得られると考えられます。

 

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