高次脳機能障害で7級の被害者について,示談交渉により損害賠償額を大幅に増額するとともに,人身傷害保険の保険金も含めて6000万円で解決した事案

概要

 高次脳機能障害で7級の被害者について,示談交渉により損害賠償額を大幅に増額するとともに,人身傷害保険の保険金も含めて6000万円で解決した事案

 

被害者の属性 10代(男性 学生)
事故の分類 道路を自転車で横断中に普通乗用車と衝突
負傷部位 脳,目等
傷病名 頭蓋骨骨折,脳挫傷,眼窩骨折等
後遺障害等級 7級4号
賠償金額 6000万

 

依頼のきっかけ

 本件は,自転車を運転していたご子息が道路を横断中に,自動車と衝突したという事案です。
自動車の運転手は,同乗者との会話に気をとられ,被害者の発見が遅れてしまったことが事故の原因でした。
ご子息が交通事故で重篤な症状を負ったため,事故直後,右も左も分からず混乱している状態で,ご両親はラグーンへご相談に来られました。
藁にもすがる思いで,ご依頼をされたとのことです。

交渉の経緯

 被害者は,本件事故により脳を損傷したことが原因で,性格変化,記憶力低下等の様々な症状が残存してしまいました。

自賠責保険会社の判断は,高次脳機能障害について,後遺障害等級7級4号というものでした。
自賠責保険会社の等級自体を争うことも検討しましたが,最終的には,ご両親とも協議のうえ,7級を前提に保険会社と交渉をすることになりました。

相手方の任意保険会社からは,当初,既払金以外に,2100万円の示談提示がなされました。
しかし,2100万円の示談提示は,被害者に生じている重篤な症状からすると,明らかに不当な金額でした。

そこで,当事務所では,適切な労働能力喪失期間の主張や近親者慰謝料の主張等を行い,裁判基準での適正な賠償金の支払いを求め,保険会社と粘り強く交渉をしました。
その結果,最終的には,相手方の任意保険会社との間では4000万円で示談が成立しました。

また,本件では,被害者側にも3割程度の過失相殺が認められる事案でした。
しかし,被害者の親族が加入していた自動車保険を調査したところ,被害者について人身傷害保険の適用が認められることが判明したため,被害者の親族が加入していた保険会社とも人身傷害保険の支払金額について併行して交渉をすることになりました。

その結果,過失相殺により減額される損害額を埋め合わせる程度の保険金である2100万円が被害者側の保険会社から支払われることになりました。

 

弁護士の目

 事故時,被害者は学生でした。これからの長い人生を,記憶障害等の症状と付き合いながら,生活していかなければなりません。また,損傷部位が脳であるため,予期せぬ症状とも常に隣り合わせの状態です。

今後,日常生活を送るうえで,不都合も多いですが,その不都合を少しでも低減させるためには,前提として,経済的な側面で,適正な損害賠償を受ける必要があります。

ところが,多くの被害者が適正な損害賠償を受けていないのが現状です。
本件のように,本人はもちろんのこと,ご家族も混乱状態にあり,その日の生活をすることで精一杯の状態であるため,後遺障害の等級認定や損害賠償というお金の話にまで気が回らないのです。

そのため,不当な内容であることに気付かないで,示談をしてしまうケースが多く存在します。
今後の長い人生のことを考えれば,少しでも早く専門家に相談をするべきです。

本件では,事故直後からご相談にお越しいただいたこともあって,早期に今後の方針を確認し対応することができました。
また,過失相殺分を穴埋めする人身傷害保険も有効活用することができました。

弁護士が代理人として関与することで,少しでも被害者やそのご家族の今後の生活が安定すれば幸いです。

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