20代男性がびまん性脳損傷と頚椎捻挫により高次脳機能障害と診断を受け、弁護士が介入し,親族から本人の状況を細かく聞き取るとともに,医師面談,必要書類の準備を実施することで7級4号の認定を受け7,500万を賠償された事例
概要
道路を横断歩行中に普通乗用車と衝突し,高次脳機能障害を負ったものの,後遺障害等級認定サポートにより適切な認定を受け,裁判でも高額の損害が認定された事案
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被害者の属性 | 20代 男性 会社員 |
事故の分類 | 横断歩道付近を歩行中に,普通乗用車に衝突された |
負傷の内容 | びまん性脳損傷,頚椎捻挫 |
負傷部位 | 頭部 |
傷病名 | 高次脳機能障害 |
後遺障害等級 | 神経系統の機能又は精神に障害を残し,軽易な労務以外の労務に服することができないもの(7級4号) |
賠償金額 | 7500万円(自賠責保険金含む) |
症状固定から解決までの期間 | 1年6か月 |
解決のポイント
事故発生直後からサポートを開始した事案です。被害者が20代と若い男性であったため,後遺障害等級が7級と重い内容であることからすると,逸失利益について争点(具体的には,事故前収入によるべきか,将来の増収を見込んで賃金センサスによるべきか)になることが予想され,また,過失割合についても保険会社と当方で見解が大きく異なっていたため,裁判外での解決は困難であると予想されました。そのため,等級認定後,速やかに訴訟提起をしました。裁判では,こちらの主張する損害を前提とした和解案が出され,その内容で和解が成立しました。
また,過失相殺がされたものの,被害者が人身傷害特約に加入していたため,最終的には全損害について保険会社からの支払がなされました。
所感
高次脳機能障害は,症状の内容を本人が十分に自覚していないことが多くあります。そのため,被害者本人が医師と面談しているだけでは,自身の症状について,正確に医師に伝えることができず,その結果,最悪の場合,高次脳機能障害という事実が見過ごされ,適切な後遺障害等級認定を受けられなくなるという危険性を内在しています。
本件は,事故直後から,弁護士が介入し,親族から本人の状況を細かく聞き取るとともに,医師面談,必要書類の準備を実施することで,適切な後遺障害の等級認定を受けることができたという事案でした。
- 事故直後からのサポートで、難聴7級、頭部外傷後の神経症状12級(併合6級)の認定がなされ、慰謝料満額・付添関係費の全額認定で示談した事案
- 異議申立によりCRPSで7級の認定を受けた後,裁判で解決した事案
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- 看護士が後十字靭帯損傷、腓骨神経麻痺等で併合8級をとり4,000万円の賠償金を得た事例