高次脳機能障害で5級、複視で10級(併合4級)の被害者につき裁判外で裁判基準による和解ができた事案

被害者の属性50代 女性
事故の分類高速走行中に衝突
傷病名びまん性脳損傷(高次脳機能障害)
後遺障害併合4級

依頼のきっかけ

 依頼者は、事故によってうつ状態となり極度に悲観的な性格となってしまいました。その状況を見かねた周囲の人達からの強い勧めもあって、せめて今後の生活において経済的不安だけでも取り除くことができればと考え、弁護士への相談を決断されました。

後遺障害等級認定までのサポート

 事故で仕事ができなくなったことから、収入を絶たれ経済的に苦しんでいる状態でした。休業損害については保険会社から支払いがなされていましたが、交通費等の負担もあったことから、定期的に支払がなされる休業損害だけでは不十分な状況でした。

 そこで、ラグーンでは見込まれる後遺障害の内容を説明するとともに、一時金として当面の生活費を支払ってもらいたい旨、保険会社に要請しました。

 保険会社との交渉の結果、都度、必要性を検討して予想される慰謝料の範囲内であれば内払いとして支払いが可能とのことでしたので、定期的に内払い金を請求しました。

 治療に専念していただける状況を作り、通院を継続していただいた後、依頼者の主治医(脳・眼)と面談をして後遺障害の申請をしました。

 結果は、認知機能等の障害(高次脳機能障害)として5級、複視について10級の認定がなされ併合4級との認定がなされました。

交渉及び訴訟の経緯

 裁判基準(弁護士基準)で相手方保険会社に請求をしたところ、保険会社は当初裁判前であるため慰謝料について裁判基準の80%という内容の対案を提示しました。

 しかし、裁判前であるという理由で減額する根拠は乏しいと考えられ、他に減額を受け入れる要素もなかったため、当方は裁判基準の満額の主張を強く維持しました。最終的に保険会社は裁判基準の満額で示談に応じる方針となったため、裁判外で和解をすることができました。

弁護士の目

 保険会社は被害者に対する賠償金の提示にあたって「裁判外なので80(もしくは90)%」という主張をしてくることが多くあります。

 しかし、裁判基準は、これまで裁判所が慰謝料として適切な金額であると認定してきた基準です。裁判になったから慰謝料を増額したという考えはそこにありませんし、裁判前であれば裁判になったときに比べて精神的苦痛は少なくなるはずという考えも示されていません。つまり、裁判基準=裁判であるか否かにかかわらず被害者に対して賠償されるべき適切な慰謝料の基準という理解になります。

 このことを辛抱強く説明することで理解を示してくれる保険会社や担当者も少なからずいますので、ラグーンでは妥協をしないという姿勢を崩さずに今後も案件に対応してまいりたいと思います。

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