ひき逃げ事故により後遺障害11級4号の障害を負った被害者が事故直後からのサポートにより通常の基準から増額した慰謝料を受け取ることができた事案
概要
被害者の属性 | 70代 男性 無職 |
事故の分類 |
横断歩道を歩行中に乗用車と衝突 |
負傷部位 | 頭部,歯,下肢 |
傷病名 | 脛骨腓骨開放骨折,歯牙破折 |
後遺障害等級 | 11級4号 |
賠償金額 | 1000万(自賠責保険金含む) |
依頼のきっかけ
依頼者は,横断歩道を青信号に従い歩行していたところ,信号を無視した加害車両と衝突するという事故に遭いました。加害者は救護義務に反しそのまま現場から立ち去るという悪質な事案でした。
事故態様が極めて悪質であったため,依頼者は今後の賠償面に不安を抱き,事故から約1週間後にラグーンへ来所され,依頼を決断されました。
後遺障害等級認定までのサポート
ラグーンでは,まずは治療に専念していただくため,代理人として,加害者側の保険会社との間で,必要な治療費,個室代について交渉をしました。また被害者が入院から自宅へ戻るにあたって,自宅のリフォームが必要であったところ,当初はリフォーム工事費について保険会社から依頼者側で一時立替えをして欲しい旨の回答がありました。しかし,突然の事故で突然リフォーム工事が必要になったにもかかわらず,リフォーム工事に要する大金を,一時的とはいえ被害者側が立替をすることはあまりに不合理です。ラグーンではその点を保険会社に主張して,粘り強く交渉をした結果,一時立替をすることなく,リフォーム工事費を保険会社に対応してもらうことできました。
その後,主治医とも面談をして,後遺障害診断書の作成を依頼し,被害者請求を行なったところ,後遺障害等級11級4号の認定がなされました。
交渉の経緯
本件事故はひき逃げ事案で事故態様が悪質であったことから,ラグーンでは損害額を保険会社側へ提示するにあたって,慰謝料額を通常の赤い本基準に比べて3割増額した金額で算定しました。
保険会社は,当初,増額して認定することについて納得をせず,こちらの提案を拒否しました。これに対して,当事務所では,ひき逃げが増額事由に該当することはもちろんのこと,本件事故後の看病等により,依頼者のご家族にも多大な精神的苦痛が生じていることを重ねて主張をしました。
その結果,最終的には,当方の提案どおり,慰謝料を3割増額した内容で,裁判外で示談をすることができました。
弁護士の目
交通事故によって重傷を負った結果,日常生活を送るうえでの危険を解消するために,自宅を改装(リフォーム)する必要が生じるケースがあります。
自宅をリフォームするためには,当然,工務店等に対して,費用を支払わなければなりません。その費用は,数十万円から場合によっては数百万に及ぶこともあります。突然,事故に巻き込まれた被害者が金銭的に余裕のある方であればなんとかなるかもしれませんが,通常は簡単に立替ができるような金額ではないため,保険会社との交渉が必要になってきます。
しかし,保険会社に対してリフォーム工事代を請求しても,工事の必要はない,過剰である等の反論がされて,支払いを拒否されるケースもあります。治療に専念したい被害者本人にとって,このような保険会社との交渉は相当負担となります。
本件は,保険会社がリフォーム工事費の支払に難色を示していたものの,事故直後からご依頼をいただいておりましたので,依頼者と弁護士間の意思疎通を円滑にとることができており,スムーズに交渉を進めることができました。その結果,リフォーム工事費の支払いを受けることができ,治療に専念していただく環境作りに少しでもお役に立てたのではないかと思います。
また,本件は,事故態様が悪質であることを理由として,慰謝料の増額が認められた事案でした。慰謝料の増額については,刑事記録等に基づく詳細な立証が必要であるため,裁判外で認定されることは簡単なことではありません。粘り強く交渉をした結果であると考えられます。
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