医師面談によって骨折後の変形治癒について診断書への詳細な記載を依頼し併合11級の認定がなされた事案

概要

 

被害者の属性 60代 女性
事故の分類 歩行中に自動車に衝突された事例
負傷部位
傷病名 右足関節粉砕骨折,左膝関節粉砕骨折
後遺障害等級 併合11級 (12級3号,12級7号,13級8号)

 

依頼のきっかけ

 さんは受傷後に病院に救急搬送され,入院及び通院を継続していましたが,Mさんの左足は大きく腫れ上がり,また,痛みも強く,保険会社から治療費を打ち切ると言われ不安を抱きラグーンに来所されました。

交渉の経緯

 弁護士が医師と面談した結果,骨折箇所が変形して治癒しているということでした。変形箇所を治すには,数年後Mさんの体力が戻ってから再手術が必要とのことでした。しかし,Mさんは60歳を超えており,医師としては再手術をするのはMさんの体力的に困難ではないかと考えているようでした。その結果,Mさんは症状固定していると言われました。

 そこで,私は,後遺障害の申請をすることにしました。「手術をすれば治るが,手術をしなければ治らない」ということは現存している怪我や痛みは,後遺障害ということになるからです。医師面談を行い,Mさんに後遺障害が認められるよう,医師に対して,詳細な検査を行ってもらうこと,骨折箇所が変形して治癒してしまっていること等を詳細に診断書に記載してもらうようお願いをしました。

 その結果,Mさんには,3つの後遺障害が認められ,併合11級となりました。このようにしてMさんは多額の賠償金を受け取ることに成功しました。

弁護士の目

 「身体」はお金では買えるものではなく,一生涯の付き合いをしていかなければならない重要なものですから,怪我を完全に治癒させることが交通事故被害者にとって1番の解決となります。

 しかし,残念ながら怪我が治らない場合もあります。弁護士の仕事では怪我を治すことはできませんが,後遺障害の申請をして後遺障害慰謝料,後遺障害逸失利益,将来の治療費等を請求するべきと考えました。

 後遺障害の申請において,重要な判断材料となるのは,後遺障害診断書の記載内容です。医師の多くは,後遺障害診断書がどのように用いられ,どのような結果があれば後遺障害が認められるかということについて,知らないことが多いです。その理由の一つとして,損害賠償における後遺障害が認められるか否かというのは法的な問題であり,医師の専門外であることがあげられます(当然ながらよく研究なさっている医師もいます)。

 そのため,弁護士が医師と面談し,後遺障害が認められるポイントについて質問し,重要な事項があれば,医師にその旨記載してもらうようお願いをすることができます。

 本件もMさんの後遺障害について,変形治癒など具体的,かつ,詳細に記載してもらえたことで,併合11級が認定されたことにつながったと考えています。

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