入院治療の必要性が争点となり,裁判で治療費全額が認定された事案
概要
被害者の属性 | 20代 男性 アルバイト |
事故の分類 | 停車中に追突されたもの |
負傷部位 | 首 |
傷病名 | 頚椎捻挫 |
依頼のきっかけ
依頼者は追突事故の被害に遭いました。頚椎捻挫の怪我を負い,当日から吐き気等の症状が強くでたため,医師から安静加療の指示を受け,入院をすることになりました。
入院期間は約1ヶ月に及びました。頚椎捻挫の傷病としては,かなり長期の入院治療を余儀なくされました。
退院後,相手方保険会社から,依頼者に示談金の提示がありました。提示された内容をみると,「入院の必要性は認められないため,入院に関する既払い(保険会社がすでに病院に支払っている)治療費は慰謝料から減額します」と記載があり,納得ができず,ラグーンへ来所されました。
交渉の経緯
依頼を受けた後,加害者側の保険会社に対して,入院治療は医師の指示に基づくものであったことを主張し,適切な賠償金の支払を求めました。
しかし,加害者側の保険会社は,「むち打ちで入院治療の必要性はない」の一点張りでした。
そのため,やむなく訴訟提起をすることになりました。
訴訟では,カルテ等の提出をして,依頼者の症状からして,入院治療が必要であったこと,入院は医師の判断によるものであったことを詳細に立証しました。
その結果,裁判所は当方が主張した内容どおり,入院治療費のすべてについて交通事故と因果関係の認められる損害であると認定をしてくれたため,無事,和解によって解決することになりました。
弁護士の目
むち打ち損傷の事案では,保険会社から特段の理由もなく,一定の期間が経過すると治療は打ち切りとの主張がなされるケースは多くあります。保険会社の基本的な考えは「むち打ち損傷は軽微ですぐに治る」というものです。むち打ち損傷で入院治療となると,多くのケースで入院までの必要性はないとして争ってきます。
しかし,被害者の方からすれば,好きで入院をしているわけではなく,本件がそうであったように,医師に勧められたから入院をしたというのが大半だと思います。そのような場合に,後で入院は認めませんと主張されても,到底納得はできません。
入院治療の必要性については,医学的な判断も必要になるため,個人で保険会社と交渉することは非常に困難です。傷病が頚椎捻挫であればなおさらです。
今回のケースでは,カルテに症状や入院の経緯について詳細な記載があったことが決め手になり,当方の言い分が認められ,納得のいく解決となった事案でした。
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